日曜日の午前中。

何だか早く目が醒めてしまった。

外から聞こえるのは鳥の鳴き声だけ。

今日の約束何時から?

携帯の充電いつの間にか切れてる。

そういえば、

ワンセグ付けっぱだったんだ。

どの番組も通販しかやらなくなって。

それを眺めている内に寝ちゃったのだろう。

まだ静かな家の中。

折角の休みだし起こさないよう慎重に。

支度もそこそこ。

息のない携帯と色々詰め込んだ鞄手にして飛び出した。





チャリと電車を使って。

たっちゃん家にやってきた。

家ベル鳴らすと玄関開いて、

部屋着のまんまのたっちゃん登場。

眠たそうに目を擦る。

「お前早くね?まだ8時。約束10時」

あれ。

そんなに早かったのか。

「上がれって。寒かったろ」

うん。

お邪魔します。





たっちゃんの部屋はいつも綺麗だ。

休みの日なのに朝早いのに使われているのはこの部屋だけ。

理由はうっすら。

詳しくは聞かない。

俺らは大抵平日は俺ん家で、休日はたっちゃん家で過ごす。

「もうやった?」

たっちゃんはポットからお湯を注ぐ。

「まだ。開けてもないよ」

「まじで?」

紅茶とコーヒー。たくさんのお菓子。

準備は万全だ。

「だって、一緒にやりたいの一人でしてもつまんないし」

「ばーか」

たっちゃんは笑う。

俺の目の下をなぞりながら。

「眠そう」

睡眠3時間。

顔を洗っても取れなかった目の張り。

「・・・大丈夫だって。やろうよ」

「ん」

鞄から出したソフトとリモコンをたっちゃんに渡す。

「楽しみな」

「うん」

昨日発売した新作スマブラ。

俺らの娯楽。

飽きたとは言わせない。





重たい瞼を持ち上げて、今まで寝ていたことを知る。

いつの間にかTVは黙っていて。

食べかけだった筈のお菓子もきちんと封をされている。

腹の上には毛布とたっちゃんの腕。

すぐ横にたっちゃんの顔。

「たっちゃん」

俺を襲うのは不安。

目を閉じた儘二度と開かない現実を知ったあの日から。

ずっと付き纏う恐怖。

「たっちゃん、」

心臓の位置に手を当てて確かめる。

たしかに、今、動いてる。だけど、

「、ばか」

瞼を閉じたままのたっちゃんは、

確かな動きで俺の髪を撫でた。

「勝手に寝るから、バチ当たったんだよ」

あくまでも優しい口ぶりを聞いて、途端に視界がぼやける。

「ごめん、」

「ばーか」

額を突き合わせてやっと目線が合う。

たっちゃんは朝と同じように俺の目の下に指を這わせる。

「泣くなって」

「ん、」

不安は尽きない。

染み付いた後悔はきっと消えない。

それでも。

今、こうして君が傍にいるから。

「たっちゃん」

「何」

「、好きだ」

「俺も」

何度でも不安は安心に変わる。

何度でも君を好きになる。



何度でも、